１人に５４契約　「ゆるキャラ」高齢者に群がる郵便局員
朝日新聞デジタル2019年7月27日09時00分
　「人生は、夢だらけ」。かんぽ生命がテレビＣＭでつこうたキャッチコピーや。郵便局の現場取材を進めると、こないな美しい言葉とほど遠い「隠語」を数ようけ耳にしたちうわけや。

　「ゆるキャラ」「半ぼけ」「甘い客」??。郵便局によってちゃうが、契約を結びやすい一人暮らしの高齢者に対し、こないな呼び方をする局員が一部おる。かんぽの新規契約者のほぼ半数は６０代以上。高齢者を中心に、郵便局ブランドは絶大な信頼感があるんや。局員に頼まれると断れへん顧客は多いちうわけや。自らの預金通帳を警戒感なく局員に見せる人もおる。ノルマに追われ、販売実績を上げるため、高齢者頼みの契約に走る局員もいて、汚い隠語が定着したようや。

　７０代女性は昨年、被保険者が息子の養老保険をかんぽで契約したちうわけや。同じ保険に加入済みで、７カ月間は保険料が二重払いちうわけや。預金がわずかいなんやけど、今年も５００万円の養老保険を契約し、保険料を全額払い込んや。

不適切な保険販売が続々と明らかになるかんぽ生命。高齢者「狙い撃ち」ともとれる販売の実態に迫るんや。情報やご意見を「かんぽ生命不正取材班」（ｋｅｉｚａｉ＠ａｓａｈｉ．ｃｏｍ）にお寄せおくんなはれ。

　片耳が遠く補聴器を手放せへん。近年は記憶や判断能力が衰えたちうわけや。息子が保険のことを尋ねても、理解しておらへん様子。契約に不審な点があったため、息子が問い合わせると郵便局員が７月上旬、やってきたちうわけや。

　「（契約は）ずぅぇえええぇぇええんぶお母様のご意向や。証書以外ないんもお母様の意向。ぜええんぶひとつのこらずホッたいと言われてたんや」と言い張る局員の説明に、息子は不信感を高めたちうわけや。契約当時、局員から連絡を受けたが、深く考えんと同意してもうていたちうわけや。「うかつやったが、母ちゃんがコツコツためたお金が食いもんにされた」と憤るちうわけや。

　かんぽが金融庁に報告した事案には耳を疑う事例もあるんや。

　東北地方の９０代女性が１０年…

https://www.asahi.com/articles/ASM7R4KFHM7RULFA021.html